井上大輝法律事務所

保険の話・交通事故示談あっ旋の話

2020年10月21日コラム

車の保険に「弁護士費用保険特約」を附帯されている方も、随分増えてきました。

最近では各保険会社、特色あるタイプの弁護士費用保険を出していて、家族が保険に入ってくれていたので助かった!、あるいは自転車事故でも使えて安心した・・・という方もいらしゃいました(僭越ながら、当事務所も各社特約の報酬基準に対応しております)。

自動車保険の更新の際には、どういう内容の特約があって、どういうときに使えるのか、相当大事ですので、必ずご確認頂ければと思います。個人的には、残念ながら無保険の車も走っているのが現状ですので無保険車にぶつけられた時の補償が充実しているタイプがお勧めです。特約を使用しても保険料は上がらないという規定になっていることが多いので、積極的にご活用下さい。

さらに、万が一の時に備え、交通事故に限らず色々なお困りごとに対応する弁護士費用保険(プリベントのミカタ等)にご加入のお客様もいらっしゃいます。免責金額が設定されているタイプもありますので、あらゆるお困りごとについて完全自己負担ゼロになるというわけではありませんが、相当広い範囲のお困りごとに対応しており弁護士費用の自己負担分が相当軽くなる可能性も十分ありますので、転ばぬ先の杖としてお勧めできるかと思います。

弁護士へのアクセスという意味では、お困りごとの話し合いでの解決のために弁護士会などでの「示談あっ旋」(ADR)を利用してみる、という方法もあります。交通事故のお話でも、弁護士会などが「交通事故示談あっ旋」という制度を用意していますので、ご活用頂くのも一手です。

弁護士が当事者(典型的には、被害者の方と、保険会社の担当者)からのお話をお伺いして、公平中立な立場から示談(和解)の成立をアシストする(そして状況の見極めをしながら解決案のご提案をさせて頂く)というものです。示談あっ旋のメリットは以前にもこのホームページに記事をアップしていたと思いますが、「法律の専門家である弁護士が、第三者の立場から、当事者の皆様に、客観的な判断・意見(そして時には、弁護士が考えるバランスの取れた解決案)をお示しする」というのは、交通事故の問題においても相当、皆様のお役に立てるポイントです。

「誰にどういうお願いをして良いかもわからないけど、費用も中々かけにくく、できれば早く解決してしまいたい」というときには是非、弁護士会などが運営している示談あっ旋をご利用頂ければと思います。

ちなみに弁護士会では各お困りごとに比較的マルチに対応して示談あっ旋の手続を実施していますが、弁護士会だけに限らず、各お困りごとの種類に対応して、「交通事故紛争処理センター」「(労働局等の)あっせん」等の各種の示談あっ旋(ADR)実施機関がありますので、案件ごとの特色や相手方の属性、種類、状況などによって使い分けをすることもあります。