井上大輝法律事務所

解決事例

ドライブレコーダーがない中での過失割合0:100(相手方センターオーバーを立証)

30代 男性 交通事故 

相談前

ご相談者様は、片側1車線(両側計2車線)の、ゆるやかなカーブの外側を車で走っていたところ、対向車線(カーブの内側)を走っていた車がセンターラインをはみ出してきたことにより、事故に遭われました。双方の車がぶつかった際の損傷の状態や道の形などから、相手方の車のはみ出しは明らかなように思われました。
しかしながら、双方ともドライブレコーダーを積んでいなかったことが災いし、相手方保険会社からご相談者様の車がはみ出したのではないか、あるいはセンターライン上の衝突ではないか等と主張される可能性がありました。実際に、相手方は事故状況の調査に応じられないとのことであり、保険会社による修理費支払等も、速やかに行われていませんでした。ご相談者様の加入されていた任意保険に弁護士特約が付保されていたのは、本当に幸いでした。

相談後

直ちに僕が代理人に就任し、交渉にあたりお客様の任意保険会社・相手方の任意保険会社からそれぞれ資料を取り寄せたところ、保険会社間ではお客様の過失割合として20%程度が想定されているようでした。双方の車の損傷状態(傷の位置)によってはありえなくもない数字でしたが、お客様からお伺いしている事故状況・お車の損傷状況に鑑み、お客様に過失のあるような事故とは思えない状況でした。そこで事故態様について、お客様の任意保険会社にもご助力頂き再度精査したところ、双方車両の衝突位置はセンターラインから例え数十センチであれお客様側の車線側だったと判断できました。また、警察で作成されていた報告書を取り寄せた結果、こちらの見通し通りの図が書かれていたこともダメ押しとなり、過失割合をお客様0:相手方100とする示談がまとまり、修理費の全額をお支払頂くことができました。

ポイント

センターオーバー(対向車線からのはみ出し)による事故であれば、基本的にはこちらが予測・回避しにくいことが明らかであり、過失割合0:100での解決が一般的だと僕は思います(こちらに別の違反がある場合などは別ですが)。自衛のため、ドライブレコーダーを搭載しておくことがお勧めです。ただし、仮に映像が残っていなくても、道の形や車の壊れ方などから、こちらに過失がないことを証明できることもあります。今回は過失割合0:100を譲るべきではないと考え、論拠を示して交渉に当たったところ、実際に0:100で解決できました。譲歩すべきときと譲歩すべきでないときの判断・見通しは、しっかりご案内したいと思います。

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事故の後の大変さ・家事ができなかった(しにくかった)ときのお話

40代 女性 交通事故 2016年9月に解決

後遺障害等級認定 慰謝料・損害賠償 人身事故

相談前

40代の主婦の方が運転する車が追突され、運転手の方と、乗っていたお母様(80代)が頸椎捻挫等と診断されました。車の壊れ方が大きくなかったため、相手方保険会社からは「軽傷」という扱いを受け、事故から3か月が経過する前に治療終了するように、強く求められていました。

相談後

主治医の先生との面談の結果を踏まえ、事故後から現在まで継続している各症状との間に因果関係が認められると判断しました。また、早期の治療終了は不相当であると考えました。そこで、後遺障害認定の請求を行い、事故の際の身体の姿勢などの説明書、神経学的検査の結果等を提出した結果、お二人とも後遺障害14級9号(むちうちによる神経症状)と認定されました。
交渉では、40代主婦の方について、実際の家事労働への支障の程度、症状の大きさ等を説明した結果、妥当額の休業損害・逸失利益と、大阪地裁の基準額どおりの通院慰謝料を得られました。また、80代主婦の方についても、実際にご同居の家族のため家事をされていた実態、家事を引き受けざるを得なかった状況を粘り強く説明した結果、妥当と思われる水準の賠償を得ることが出来ました。

ポイント

車の壊れ方が大きくないケースでも、人の身体の仕組みが完全に解明されているわけではなく、色々な条件が重なった結果、身体へのダメージが大きくなることもあります。事故に遭った車の壊れ方は、損害の大きさを測る目安にはなりますが、あくまで考慮要素の一つにすぎません。検査所見や事故に遭ったときの状態・体勢によっては、早期の治療終了は不相当、後遺障害の認定が妥当とされるケースもありますので、状況を見極めながらアドバイスできればと思います。

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利き腕に対する補償(休業損害・事故後にかかった追加外注費の請求)

40代 男性 交通事故 2013年8月に解決

後遺障害等級認定 慰謝料・損害賠償 人身事故

相談前

事故に遭う前のご相談者様は、事業主として経理や営業活動等を行う傍ら、高所作業の現場等で、作業員の指揮・監督を行っていらっしゃいました。ところが、事故に遭って利き腕と頸椎を損傷し、その痛みや動きの悪さのため、現場で自ら作業を行うには重大な支障ある身体となってしまいました。このような事情から、相手方保険会社に対し、自身の休業損害のほか、自身が作業を行えない代わりに必要となる応援作業員に支払う費用(外注工賃の増額分)の支払(内払)を求めていらっしゃいました。
事故から約4か月経過した時点でご相談に来られましたが、その際には、相手方保険会社から休業損害及び外注費の支払額について見直す、という話が来ていました。

相談後

交渉の結果、依頼者様の体調回復の状況に従った休業損害額査定に応じる代わり、治療期間中を通して、追加外注費(外注工賃増加分)の支払を受けることができました。また、利き腕を損傷したことに加え、頸椎へのダメージの影響(高所作業やヘルメットを要する作業に与える影響)も含めた場合の逸失利益額について意見書を作成しました。
その結果、最終的には、後遺障害14級の認定ながら、5年分を超える補償(逸失利益)を得ることができました。
なお、今後も将来にわたって治療期間中と同様の追加外注費が発生すること、事業主としての現実の見込所得額を証明できたことが幸いし、課税証明書に記載された書類上の所得額ではなく、現実の収入額に近い額を基礎とした補償額を得ることが出来ました。
これに加え、大阪地裁基準額どおりの慰謝料を得ることができ、示談交渉によって解決できました。

ポイント

事故後の仕事の状況や、診断書等に記載されている症状の大きさ、実際の事業主としての会計帳簿の状況から判断する限り、通常の14級の水準には収まらない損害の発生が見込まれるケースでした。後遺障害認定の後、相手方保険会社から「今まで支払った休業損害と外注費を、慰謝料扱いにしたい」という連絡が届いたときは、裁判も覚悟しました。しかしながら、会計帳簿の分析等も行い、証明すべきことを証明できた結果、交渉の段階で相手方保険会社を納得させることができました。非常に良い結果を出せたと思っています。

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