井上大輝法律事務所

入っておいた方が良い保険

2021年05月27日コラム

車の保険で「人身傷害保険特約」というものがあります。弁護士の仕事をしていると、この特約に入っているのとそうでないのとでは全然違うので、僕の経験上は是非、弁護士特約と合わせて入って頂くことをお勧めしています。こういう記事を定期的に書いているような気もしますが、最近ますますこの特約のありがたみを実感する機会もありました。

(1)自賠責保険への厄介な申請手続を経る前に、特約の約款に定められた基準で、加害者(の保険会社)からよりも先に、怪我分の本来の賠償額のうち一部の支払を受けることができる

→ 事故後の日常生活へのダメージを小さくできる見込み

(2)事故の相手方が任意保険に入っていなくて、しかも賠償金の支払が裁判所で認められているのに、加害者が支払うお金もない(破産か、手続をするお金もなく事実上破産に近い状態である)という場合などで、裁判所の判決又は和解で認められた賠償額の算定式や算定の基準を参照し、約款解釈の範囲でという限度額付きとはいえ、賠償額の一括填補を受けられる

→ そして、併せて弁護士特約に加入していれば、加害者に対する賠償請求のため裁判を起こすことになっても、弁護士費用の心配が少ない

(3)被害者の方の過失割合が認められてしまったケースでも、人身傷害保険から過失割合分に相当する額の支払を受け取ることができる場合がある

→ 被害者の方の過失割合が認定されてしまったとしても、自分の保険から支払を受けることで、損失を小さくできる(+車両保険と違って、特約を使用しても通常保険等級に影響しないことが多い)

交通事故被害者側で代理人として交渉・請求しているときこそ、お客様ご加入の保険特約がうまくお客様にとってプラスに働いてくれ、その効力を実感します。ぜひ、お勧めです。