井上大輝法律事務所

明けましておめでとうございます/下請法のお話

2021年01月05日NEWS

年が明けても全然コロナが収まらないので相当辛いですが、今年も頑張って参りたいと思います。

昨年3月以来、コロナウイルス感染症拡大及び自粛要請等に伴う、解雇/退職勧奨/人員整理/債務整理等に関するお問い合わせ・ご相談をお受けしてきた身として思うのは、こういう時期であっても(自治体等からの各種助成金等を使うのは前提としても)対策をしっかり整えつつ、筋の通ったことをしている人や会社ほど、これからのアフターコロナの時代にも、より適応しやすいのではないか、ということですね。

こういう混乱期のどさくさに紛れ、「いい加減でもいいや」と、こっそり法的にスレスレなことをやっていると後々思わぬところでつじつまが合わなくなったり、足をすくわれたりしますので、弁護士的にも微力ながら、苦しい中でもいかに何とかするかということを、法的な面からご助力させて頂ければと思います。

最近になって、フリーランス(個人事業主)・下請の立場の方からご相談を頂く機会があり、「下請法」の知識が活きることがありました。

フリーランスや下請は仕事を引き受けられてナンボ、受注なければ収入ナシ、という働き方ですので、立場的には相当弱いことがあります。

元請や注文者から、「これもついでにやっといて」と契約外のタダ働き等をさせられたり、

「ちょっと待って、うちも代金回収遅れてて苦しいねん」等と言い訳されて待たされたり、

前金分さえ待たされた挙句「ちょっと負けといて」みたいな減額を受けたり、

ひどいときは「え?紙?いらんやろ?」みたいに、そもそも契約書さえなかったり、報酬の支払条件や支払時期が明確でなかったり、

おまけに、報酬額の合意前に色々と労務や商品を提供させられたり、「元請の俺が納得せえへん出来なんやから何べんでもやり直せ」みたいな、え、それパワハラですやん・・・みたいなことされたり。

これらはいずれも「下請法」、正確には「下請代金支払遅延等防止法」をお読み頂ければ、親事業者の禁止行為に該当している疑いがありますので、是非、ご相談頂ければと思います!

最近になって弁護士ドットコムのウチの事務所のページにも書き加えたのですが、実は、京都大学法科大学院(ロースクール)では、こっそりと、「経済法」(独占禁止法)を勉強させて頂いておりました。その際に、下請法(のベースとなっている独禁法の「優越的地位濫用」の規制)も学んでいたのですが、日々の法律相談の中で下請法の知識が活きる機会も実はありました(意外と盲点のようでした)。

弁護士登録したての頃には、やっぱり「破産法」か「労働法」をもっとしっかり勉強して司法試験を受けるときの受験科目にしておけばよかったかな、とか、色々考えてしまっていた時期もあったのですが、今更ながら、「やっててよかった経済法」と思っています。