2022年03月30日コラム
たまにあるご相談ですが、通勤、退勤中に交通事故に遭ったときに労災治療にした方が良いか、それとも労災を通さないで保険会社に直接治療費を払ってもらう方が良いか、と聞かれることがあります。
事故による怪我でお休みしないといけなくなったときや、後遺症が残ったとき、あるいは過失割合の争いがあるときに、労災を通していると結論的に被害者側のプラスになることが多いかな、という印象です。特に時期に遭われた初期の段階でご相談頂けた場合には、毎度「ああ、労災にしといた方がええですね」と言っているかもしれません。
実感としても「労災通しといてよかった」と思うことは弁護士的にも多くて、保険会社からの賠償金(保険金)からの差し引きがない「特別支給金」が労災からもらえたり、過失相殺の計算方法が通常の事故と比べると被害者側に有利になることが多かったり、という良い点があります。被害者が書かないといけない書類が増えてしまう等の手間はありますが、手間をかけるだけの価値はあるかな、と思い、普段からお勧めしています。
実際に労災保険を通していないと、特に裁判所等では、こういう利益を受けにくいので、特に事情や例外的な理由がない限り「労災」を併用した方が良いと思っています。通勤災害の場合であれば、特に会社に保険料アップなどがないというのもあり、遠慮なく使用できている方も多いので、お勧めです。
それと、労災事故やのにそれを隠して健康保険を使うことはハッキリ違法やと法律の条文に書かれていますので、ご注意下さい!(切り替えの手続に加え、余計な支払・立替払が発生する恐れがあります)